ある日
いつものカフェで
コーヒーを飲んでいたら、
ハーブの花束を持った男の人が
お店に現れました
そして、
私の目の前で、その花束を
待ち合わせしていた
二人の女の子に手渡しました
ちょうどそのとき、お店の中で
花を買う男の人って
あんまりいないですよね〜
なんていう話をしている最中だったので、
みんなで とてもびっくりしたのです
その方は、若林哲博さんという画家の方で、
今 ちょうど 個展を開いている最中なのだと
教えてくだいました
詳しくたずねると、
その少し前に DMを見て
ちょうど行きたいなと
思っていた方の個展でした
絵を見る前に、ご本人にお会いして
お話までできて、いい気持ちになりました
・ ・
そして。。先日
自転車に乗って、
野町のギャラリーへ
若林さんの絵は、
幻想的で、はかない詩のような
世界でした
ご本人も ちょうど会場にいらして、
4、5人の女の方と
お話されているところでした
絵を見ながら、
一緒に絵のお話を聞いているうちに、
女の方のグループは 東京から来られた
デザイナーさんだと知りました
ブランドのお名前は、
“ ADIEU TRISTESSE ”
私も知っているブランドで、
若林さんと今年
コラボレーションしたことから
今回、はるばる東京から
個展を見に来られたのだそう
お話をするうちに、
私は その中のお一人の
デザイナーさんのことを
知っていることに気づきました
まだブランドを立ち上げられる前、
その方は 雑誌のインテリア特集に
出られていたのです
たぶん20年以上前の anan です
なぜだか 私はその記事のことを
よく覚えていて、
猫と男の方も一緒に
出られていたような。。
きゅうに そのことを思い出して、
その話をすると、デザイナーさんは
すごくびっくりされていました
そりゃそうですね。。
自分でもびっくりしました
デザイナーさんは、
前田敬子さんという方で
“ まこという名の不思議顔の猫 ”
という本も、出された方でした
そして、その本を一緒に出されたのが
岡優太郎さんという、
グラフィックデザイナーのご主人でした
その方が、あの雑誌で
一緒に写っていらした方なのだと思う
お二人ともニコニコと
とても仲よさそうに写っていました
たぶん20代のころだったのだと思う
その後、ご結婚され、猫と暮らし
本を出されたようなのですが、
さらにその後、
岡さんは 若くに
亡くなられたのだと知り。。
一人、衝撃を受けました
その日、金沢はちょうどお盆でした
その帰り道、お寺の前で見た言葉
この全部は
一体どういう巡り合わせなのか
不思議なまま、ずっと引っかかっています
不思議で、不思議で
ならないのだけれど
大事な人や
身近な人が亡くなるたび、
この世とあの世の境目って
けっこう曖昧なものなのかもしれないと
思うようになりました
ここにいる間、
ここでできることをめいいっぱい楽しんで、
みんなにありがとうと言って
あっちへ行く
そしたら、またあっちでも
オギャーと元気に生まれられるかもしれない
それが今、
私のいちばんの目指すところです