曇り空
今朝も いつもと
同じ時間に 家を出たけれど、
いつもと 違う道を
歩くことにした
ちょっと 道を変えるだけで、
なんとなく流れる 空気が変わって
いい気分転換になる
通りを行き交う人も、
知らない人ばかり
犬を連れて
のんびり歩いていたら、
向こうから
知らない おばあさんに
声をかけられた
兼六園は どの辺ですか？
と 聞かれたけれど・・
兼六園の方向から
歩いて来られたので、
きっと 入り口を通り過ぎて
ここまで 来てしまったんだろう。。
また 通り過ぎてしまったら
大変なので、
兼六園の入り口まで
一緒に 歩いていくことに
朝の早い時間に 年配の方が
お一人で 観光されているのが
めずらしかったので、
どちらから 来られたんですか？
と 何気なく お聞きすると・・
ちょっと 間を置いて、
能登から・・と
おっしゃった
お正月の地震で
金沢近郊のホテルに 避難され、
今は 仮設住宅に入るのを
待ってらっしゃるらしい
順番だから、
いつ入れるか
わからないんだけれど・・と
ポツリと おっしゃっていた
一日中 ホテルにいても
しょうがないからと、
今日は 息子さんが
通勤途中に 兼六園下まで
車で 送ってくれたんだそう
おばあさんは
お元気そうに見えたけれど、
この長い 半年間のことを思うと
相当 ご苦労されたんだろうと思う
いろいろ
お聞きしたかったけれど、
ご本人は 地震のことを
それ以上 話されなかったので、
こちらからも 何も聞かないまま
入り口まで ご案内して、お別れした
別れ際、
わざわざ 遠回りしてもらって、と
ずいぶん 恐縮されていたけれど、
これくらいでは
本当は 全然 足りなくて、
ただただ もどかしかった
あの おばあさんのような方が
たくさん いらっしゃるんだと思うと、
胸が苦しくなる
いつもより 遠くまで来て、
今日 見ないはずだった
風景を たくさん見た
外に出れば、
みんな 普通の顔をして
普通に 暮らしているように
見えるけれど、
本当は 普通なんて
どこにもないんだろう。。
今の 自分の暮らしだって、
本当は 当たり前じゃないし・・
いつもの道から
ちょっと それただけで、
会うはずもなかった人と
出会ったりもする
おばあさんとの会話は
ほんのちょっとだったけれど、
あのちょっとの時間に
言葉にしきれない いろんなものを
もらったような 気がします
・ ・ ・
知らない場所に、
オドオドする ぷぅこ
